Windows Home Server 2011サポート終了。さようならWindows Home Server

こうやってWHSに関する記事を書くのはこれが最後になるかもしれません。本日2016年4月12日、Windows Home Server 2011のEOSを迎えます。

名実ともに消えたWindows Home Serverの灯火

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「ママでも使える」というキャッチフレーズとともに、鳴り物入りで投入されたWindows Home Server。Windows Server 2003 R2をベースに開発された第一世代のWindows Home Server (WHS v1)に続き、Windows Server 2008 R2をベースに開発された後継製品のWindows Home Server 2011(WHS2011)も2016年4月12日を以てサポート終了を迎えたことで、二世代に亘ったWindows Home Server ラインナップは正式にそして完全にその幕を閉じたことになります。

(写真は、ITmediaの記事「「Windows Home Server 日本語版」発表:「ママ、どうしておうちにサーバーがあるの?」でMSが訴えたいこと – ITmedia エンタープライズ」より)

愛されたWindows Home Server

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WHSほどユーザーコミュニティが盛り上がったMicrosoft製品も珍しいかも知れません。

3/6(金)Windows Home Serverユーザーは新宿に集合! – 週刊アスキーは週刊アスキーのユーザーモニターに当選してからWHSに深く入り込んでいった私にとって、今でも良い思い出です。

オフラインのユーザーイベントだけでなく、オンライン上ではユーザーコミュニティがありました。初期のWindows Home Server フォーラムに始まり、Liveグループ、そして最終的にはTechNetフォーラムと形は変りましたが、初期のフォーラムは特に濃いユーザー層が多く、活発なコミュニティでした。

AcerのH340が発売になった際の週アスイベントも楽しかったですし、またHP製のMediaSmart Server/DataVaultが日本で発売されると聞き、市ヶ谷のHPさんにお伺いして鳩の谷の街さんと二人でDataVaultを発売前に触らせて頂いたのは、WHS v1の一番の思い出です。AcerとHPの製品が販売されていたv1のこの頃が、コミュニティも最も盛り上がりを見せた頃だったように思います。

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機能が削減された後継製品

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開発コードVailとして開発が進められていたWHS 2011は、WHS v1で好評だったファイルベースのSoftware Defined Storage(SDS)機能「ドライブエクステンダー(DE)」をリニューアルし、DE v2として後継のWHS2011への搭載を目指しました。しかし、DE v2の予告アナウンスもされたものの、途中で撤回されます(“Vail”ことWindows Home Server v2ではDrive Extenderを廃止へ | マイナビニュース)。

また、これ以外にも実は搭載を検討されていたものの見送られた機能もありました。このあたりは鳩の谷の街さんがきっと書いてくれるでしょう。

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WHS2011に期待外れと判断したのはOEMパートナーも同じでした。後継のWHS2011を搭載したアプライアンス製品は不発に終わりました。AcerのRevoCenter RC111は、ほとんど流通せず、WHS v1時代のような盛り上がりはありませんでした。

WHS2011はDSP版として驚くほどの安価で販売され、クライアントOS代わりに利用する層も登場するなど、違った意味での盛り上がりを見せましたが、それでもアプライアンス不在を補うほどの勢いはありませんでした。

野心的だったが諦めが少し早かったのか?

どの家庭にも、家族の思い出を守るサーバーをという試みは、その目指す理想の高さ(あるいはそもそもの必要性)に懐疑的な目を向けるユーザーやメディアも多数存在した一方で、一部のユーザーには歓喜を以て受け入れられました。

そのユーザー層がMSの狙いとするセグメントとうまく合致していれば、今日の日を迎えることはなかったのでしょうが、残念ながらそうではありませんでした。

製品はOEM製品の割安感やDSP版OSそのものの価格の安さから、一定のリテラシーを持ったギーク層に受け入れられましたが、OEM製品が家電量販店店頭に並ぶことはなく、一般ユーザーにはほぼ認知されず終わってしまったのです。

これは日本だけの事象ではなく、グローバルでも同様で、売れ行きが期待ほど伸びなかったことから開発チームは縮小の一途を辿ります。

野心的な目標を目指し、それを貫ききれずに方針を撤回してしまったりプロダクトをEOSに持って行ってしまうのは、マイクロソフトの残念なところでもありますが、一方でこれこそが成長を続けられている所以かもしれません。

ただ、個人的にはまだ頑張ってくれていたらホームサーバーの地位はもう少し確立できていたのではないかと残念でなりません。

それでもWHS2011は僕らにとってかわいい子だった

WHS2011が世に出る前、鳩の谷の街さんや、かなわさん、清水さんと一緒に開発中のVailのビルドを試しながら、ローカライズのフィードバックを続けたのは、今でも良い思い出です。WHS v1の日本語ローカライズが一部残念な出来で、実際ユーザーに促す操作や与える警告内容が間違っているなど、クリティカルなものもあったことから、VailのローカライズにはMVPメンバーもかなりの力を入れて取り組んだものです(いわずもがなですが、完全にボランティアです)。

そんな手塩に掛けたVailが世に出たときの興奮は今でも忘れません。

WHSの遺伝子は、Windows Server Essentials エクスペリエンスや記憶域スペースに今も生きている

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WHSが売りとしてきた、クライアントバックアップや、リモートWebアクセス、サーバーダッシュボードからの一元管理といった特徴は、今もWindows Server Essentials エクスペリエンスの中で生き続けています。

DE v2で成熟を目指したストレージ仮想化技術は記憶域スペース(Storage Spaces)に引き継がれ、クラウドを支えるデータセンターでも使われる技術として生き続けてます。

Windows Home Server の灯火は今日で消えますが、その痕跡はこれからもこうやってサーバーロールとして取り込まれたWindows Server Essentialsエクスペリエンスのなかで生き続けていくでしょう。

NASでは物足りない人はこれからはEssentialsを

WHS2011の代替はこれから考えるという人も多いと思います。NASへの移行を考える人達も大勢いる一方で、WHSがWindowsだからこそ良かったという人もいるでしょう。Windows Home Server に変わる自宅サーバー(Windows)の選択肢は?にも書きましたが、まだWHSを使っている方は、これからNASやEssentialsなどそれぞれの選択をしてもらうことになります。

お値段は高いですが、記憶域スペースも利用できて、Vailが目指した真の姿ともいえるWindows Server Essentialsシリーズを使う方々が多く出てきて欲しいと思っています。

ハードウェア込みで3万円くらいで買えたWHS v1からするとなかなか手が出にくいですが、Windowsサーバーの知識を学べるメリットは大きいはずです。ぜひEssentilasシリーズ(Windows Server 2012 R2 Essentials、Windows Storage Server 2012 R2 Essentials)をこれからも使ってみてください。

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ありがとう、WHSコミュニティ。さようならWHS

最後になりましたが、WHSコミュニティ、週アスの取材やイベントを通じてご縁があったたくさんの方に、改めてお礼したいと思います。

そして、MVPの鳩の谷の街さん、かなわさん、清水さん、那須さん、本当にありがとうございました。あのとき鳩の谷の街さんが手をさしのべてくれなければ、僕はMicrosoft MVPにはなれなかったと思います。

WHSのおかげで僕の世界は拡がりました。ドライブエクステンダーへの思いを引きずっていた私は、記憶域スペースについて興味を持ち、マイクロソフトのホワイトペーパーを執筆させてもらえる機会が頂けるようになりました。今では、ストレージ領域でMVPを頂いています。WHSは僕にとってかわいい子供であると同時に、僕を育ててくれた親のようなプロダクトでもありました。

ありがとうWHS。さようならWHS。

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