Windows Server 2012 R2 Essentialsを始めとするEssentialsエディションや、Windows Server Essentialsエクスペリエンスのダッシュボードには、[正常性の監視]機能があり、サーバー自身やクライアントコンピュータが問題無く動作してるか、セキュリティ的に問題がないかチェックを行い、アラートを通知してくれる機能があります。
正常性に問題がある場合、以下のようにダッシュボードに問題の種類を示すアイコンと問題の件数が表示されます。
このBPAスキャンは、タスクスケジューラーにより、デフォルトでは毎日夜中の2時に起動されて実行されています。
BPAスキャンを始めとするWindows Server Essentials関連のタスクは、タスクスケジューラーを開き、タスクスケジューラーライブラリ>Microsoft>Windows>Windows Server Essentialsに表示されています。
BPA スキャンの結果には警告が含まれています
この中で対応に苦慮するのが、「BPAスキャンの結果には警告が含まれてます」という警告です。
BAPスキャンとは、ベストプラクティスアナライザー(BPA)のことで、サーバーの構成を評価し、標準的なユースケースの中で望ましいと思われる、セキュリティやパフォーマンスを実現するための構成をアドバイスしてくれるものです。
具体的にチェックしていること
Windows Server Essentialsでチェックしている項目は、Rules used by the Windows Server 2012 Essentials Best Practices Analyzer (BPA) Toolに記載があります。
BAPスキャンの結果は、サーバーマネージャー>Windows Server Essentialsエクスペリエンスを開いて画面をスクロールすると表示されています。
インストール直後の設定でも警告が表示される場合がある
BPAの警告はインストール直後のデフォルトの構成でも表示されてしまう場合があります。
たとえばこの、「既定で自動的に開始するように、Distributed Transaction Coordinator(MSDTC)サービスを構成する必要がある」というエラーもその1つです。
実際に、サービスマネージャーでDistributed Transaction Coordinator(MSDTC)サービスを確認すると、以下のようにスタートアップの種類は[自動]に構成されています。
対応方法
(1)BPAルールでチェックしている内容を確認する
上述の、Rules used by the Windows Server 2012 Essentials Best Practices Analyzer (BPA) Toolには、チェックしている内容(Issue)とその内容が正しく構成されていない場合の影響(Impact)、そして解決方法(Resolution)が記載されています。
それによると上の「既定で自動的に開始するように、Distributed Transaction Coordinator(MSDTC)サービスを構成する必要がある」は、以下のように記載されています。
このことから、スタートアップの種類が[自動]ではなく、[自動(遅延開始)]である必要があることがわかります。従って、以下のように[自動(遅延開始)]を選択し適用することで、次回以降BPAスキャンが実行されるとエラーが表示されないようになります。
警告が表示されないか確認したい場合は、ベストプラクティスアナライザーで表示されている警告を右クリックし、[BPAスキャンの開始]を押下することですぐにスキャンをさせることができます。設定が正しく行えていた場合は、それまで表示されていた警告は表示されなくなります。
(2)エラーを除外する
IEのセキュリティ強化の構成を管理者が必要によりOFFにした場合など、BPAのルールとは異なる構成を敢えて行い、警告を通知されたくない場合は、ベストプラクティスアナライザーに表示されている警告を右クリックし、[結果を除外する]を押下することで、次回以降は当該の警告を通知させないことができます。
サーバーダッシュボードでのアラートもすぐに消したい
サーバーマネージャーのベストプラクティスアナライザーで警告が消えたにもかかわらず、ダッシュボードでBPAスキャンのアラートが表示され続けている場合、サーバーダッシュボードを開き、ホーム>正常性の監視タブを開き、右側ペインの[正常性の監視タスク]に表示されている[最新の情報に更新]を押下します。