日本時間の今朝未明、MSの開発チームがWindows Home Server Blogを通じて、VailからDrive Extender(DE)機能を削除する予定であることを明かしました。
現行のWHS V1に搭載されているDEについては以前簡単にご紹介しましたが、VailのDEはDE V2として新たな機能を搭載する予定で開発が進められていました。
代表的な新しい機能の例としては、
・新たなフォーマットの採用
(これによりDE V1とは異なり、DE V2では障害時等にDE V2搭載OS以外のOSからはHDDの内容がみられないようになる。)
・リアルタイムの複製処理
・プロセスのCPU優先度を下げ、パフォーマンスに影響を及ぼさないようになる
等がありました。
実は一つ目に記載した特徴、新たなフォーマット採用に伴い、他のOSからはHDDの内容が見られなくなることに関してユーザーさんからV1同様他のOSでもみられるようにするべきといった要望が多数あがっていたことも、今回の決定の背景の一つになっているのも事実です。
DE V2はホームユース向けのOSであるVailだけでなく、SMB向けのSBS Essentilals(開発コード”Aurora”)、Storage Server 2008 R2 Essentials(開発コード”Breckenridge”)でも採用される予定となっていましたが、今回のDE V2開発中止に伴い、これも削除される予定です。(個人的な推測では、SMB向けのOSに採用するにあたり、SQL ServerやExchange等を載せた場合のDE V2のパフォーマンス等に関する問題も一つの影響となっているのかと考えています。)
この決定により、Vailではファイル保護を行う場合OEM、システムビルダーが提供するRAID等によりファイル保護を行うこととなりますが、Why RAID is not a consumer technologyでもWHS開発チーム自身が解説していたように、RAIDはコンシューマー向けの技術としては難易度も高く、また耐障害性という意味でも有効性は限られていると考えています。
未明のDE V2開発中止表明から数時間ですが、すでに米国ではConnect上でVailのDEを復活させる要望への投票が多数行われています。皆さんもよろしかったら投票をお願いします。ただし、実際にはこの決定を覆すのは困難かもしれません。
Vailの発売は来年上半期を予定していますが、今回のDE V2削除に伴い改めて来年1月にベータ版のメディアリフレッシュが予定されています。