記憶域プール/記憶域スペースはこれまで主に仮想環境での評価をしてきました。Shared-SASが必須であったCSVでの記憶域スペースの評価のために、SASのデュアルドメイン対応したJBODエンクロージャーもあるのですが、爆音や電力の関係でなかなかスイッチを入れる気になりません。
Windows Server 2016では、記憶域スペースもさらに強化され、Storage Space Directで、ローカルディスクを活用したクラスターディスクも構成出来るようになっていることから、もう少し物理環境で評価したいなと考えていました。
と思っていたところ、エルミタージュ秋葉原 – 容量不足を一気に解消。SSDを6台収納できるリムーバブルケージICY DOCK「MB996SP-6SB」が中古で安く出ていたため、これなら通常のマシンで空いた5インチベイを活用して物理ディスクを大量に利用できるなと思い、思わず購入してしまいました。
検証用のサーバーに、「MB996SP-6SB」を装着したところです。
6台の2.5インチSAS/SATAディスクを内蔵できるのですが、接続がSATAコネクターとなっており、6ポート必要になってきます。通常のマザーボードでは6ポートという構成が多いのではないかと思いますが、システムディスクや光学ディスクなどのことも考えると、数が足りません。
そのため、今回はLSIのHBAも併せて導入しました。記憶域スペースで用いるHBAは、RAID機能を無効にしてJBOD,No-RAIDモードで利用できるHBAが必要になります。
RAIDカードはAvago(旧LSI)の製品が一般的だと思いますが、Avago製品の中でもMegaRAIDシリーズはRAIDを無効にすることができないため、HBAとして機能する92xxシリーズを探す必要があります。
私が購入したのはIBM向けOEMのIBM M1015です。オークションで安く入手し、RAID機能を無効にするため、9211-8i用のIT(Initiator-target) Firmwareを適用しました。IT Firmwareの適用は、LSI SAS HBAのファームウェアをITからIRに(またはIRからITに)書き換える方法を参考にしましたが、最初に試した手元のGIGABYTE製MBでは、UEFIのShellモードで起動させることができず、DOSで書き換えようとしても”ERROR: Failed to initialize PAL. Exiting program”が表示されて時間を無駄にしました。
ASROCK製のマザーボードに刺しかえて、UEFI-Shellから無事ファームの書き換えになんとか成功しました。
これで、2つ搭載されたminiSASポートからSATAコネクターをそれぞれ4本、合計8本出せるため、SATAポートの数の心配はいらなくなりました。
搭載するのは、WD Black 320GB ×4本と、
Intel SSD 320 40GB×5本の中から検証する構成に応じて搭載します。
購入したこれら2.5インチのHDDやSSDを使って、少し仮想環境ではできなかった記憶域プールのパフォーマンスなどの検証をしてみようと思います。