Windows Server 2016 Essentialsを、既存のドメイン環境に追加し、当該ドメインのドメインコントローラーとして運用するケースを考えます。
Windows Server 2016 Essentialsのような、Essentials エディションでは、ドメインのFSMOの役割をすべて保有する必要がありますので、導入後は他のFSMOの役割を担うドメインコントローラーからEssentialsエディションのサーバーにFSMOの役割を転送する必要があります。
Standard, Datacenterエディションで、Windows Server Essentialsエクスペリエンスを利用する場合、上記の制約はありません。既存のActive Directory環境で、他のドメインコントローラーがFSMOの役割を担った状態で、Essentialsエクスペリエンスを利用することができます。
1. OSインストールフェーズ
http://[FAQ:WS16E]Windows Server 2016 Essentials のインストールの、「1. OSインストールフェーズ」を実行します。
2. Essentials 構成フェーズ
Windows Essentials構成フェーズに入るとまず、Windodws Essentialsの構成ウィザードを進める前に、コンピューター名の変更とドメインへのメンバーサーバーとしての参加を行います。
- Administratorアカウントを利用してログインします。
- EssentialsサーバーのIPv4/IPv6のプロパティを開き、DNSサーバーに既存のドメインコントローラーのIPv4/IPv6アドレスを指定します。
- [Windows Server Essentials の構成]ウィザードが起動したら、Windowsマークを右クリックし、[システム]を押下します。
- [システムのプロパティ]画面で、[変更]を押下します。
- [コンピューター名/ドメイン名の変更]画面で、[コンピューター名]を変更し、[所属するグループ]で[ドメイン]を選択して参加するドメイン名を入力します。
- 参加するドメインに対して、コンピューターの参加権限を持ったアカウントを入力します。
- ドメインに参加できたら、Essentialsサーバーを再起動します。
- 再起動後、Administratorアカウントで再度ログインします。
- [Windows Essentialsの構成ウィザード]が起動します。
- 構成ウィザードを実行する前に、参加するドメインでドメインの[Enterprise Admins]、[Domain Admins]権限を持ったユーザーを作成しておきます。
- あわせて、Essentialsサーバー上で、上記10で作成したユーザーに対してローカルの管理者権限を付与します。
[コントロールパネル]>[ユーザーアカウント]>[ユーザーアカウント]を開き、[ユーザーアカウントの管理]を押下します。
- [ユーザーの追加]画面で、上記10で作成したアカウントを追加します。
- 次の画面で、[管理者]を選択し、[次へ]を押下します。
- ユーザーアカウントの追加が完了したら、[Windows Essentialsの構成ウィザード]で[次へ]を押下します。
- [管理者の資格情報]入力画面が表示されます。
- [構成が完了しました]画面が表示されると、Windows Essentialsの構成が完了です。
- Essentialsサーバーを再起動して、上記～で作成した管理者権限を持ったアカウントでサーバーにログインします。
ダッシュボードからFSMOの役割を転送
上記のインストールステップを辿ることで、Essentialsエディションのサーバーを、他のサーバーにドメインコントローラー、FSMOの役割が存在するActive Directory環境の中にインストールすることができます。
しかし、Essentialsエディションの場合はFSMOの役割を保有する必要がありますので、役割を転送するEssentialsエディションのサーバーに転送する必要があります。
Windows Server 2016 Essentialsでは、Essentials 以外のActive Direcotryのドメインコントローラーが担うFSMOの役割をダッシュボードのGUI上から移すことができるようになりました。
サーバーのダッシュボードから確認すると、[設定]の中の[指定されたドメインコントローラー]に指定されているドメインコントローラーのサーバー名が確認出来ます。ここから、Essentialsエディションのサーバーにドメインコントローラーを変更することで、FSMOの役割を転送させることができます。