Windows Server 2012 R2 Essentials では、Windows Home Server 2011(WHS2011)やSmall Business Server 2011 Essentials(SBS2011E) 同様、クライアントPCのバックアップを日々サーバーで自動保存し、いつでもサーバー上に保存したバックアップイメージから、クライアントPCのリストアを行うことができます。
EssentialsによるクライアントPCのリストアとWinPE
クライアントPCのリストアでは、WHS2011やSBS2011E同様に、USBメモリー(コンピューター回復キー)を利用したUSBブート、あるいは2012 Essentials から追加された、(サーバー上のOSイメージを利用して起動する)PXEブートでクライアントPCを起動し、その後サーバー上のクライアントPCバックアップイメージから復元するプロセスを実施します。
リストアにあたり、最初にクライアントPCを起動するコンピューター回復キーやPXEブートでは、Windows プレインストール環境(WinPE)と呼ばれるOSイメージでコンピューターを起動します。このWinPEイメージは、Windows Server 2012 R2 Essentials のサーバーダッシュボードで「クライアント復元サービスのセットアップ」を実行した際に、最新のWinPEイメージをインターネット経由でダウンロードして、クライアントPCリストア用にカスタマイズし、サーバー上に格納しています。
WinPE 5.1の変更点
WinPE 5.1 では、WIMBootをサポートしました。WIMBootではOSイメージを展開せず、圧縮されたイメージのままSSD上に配置し、圧縮されたOSイメージからOSの起動が可能となり、OSインストール領域が3GB未満程度に小さくなります。今後タブレットを中心にWIMBootで構成されたWindowsマシンが登場してきますが、そういったマシンをEssentialsでバックアップからリストアする際には、WinPE 5.1が必要になると思われます。
WinPEイメージのアップデート
Essentials でクライアントPCのリストアに用いるWinPEイメージを更新するには、以下の手順を実施します。
- サーバー上に、Windows 8.1 Update 用 Windows アセスメント & デプロイメント キット (Windows ADK)をダウンロードし、インストールします。
- サーバー上でC:\ProgramData\Microsoft\Windows Server\Data\ClientRestore フォルダーを開き、配下のフォルダーを削除します。
日本語版では、
C:\ProgramData\Microsoft\Windows Server\Data\ClientRestore\8.100.25984_8.100.25984_6.3.9600.16384
フォルダーがあるはずですので、このフォルダーを削除します。 - ダッシュボードを開き、ホーム>開始する>セットアップ>クライアント復元サービスのセットアップ を開き、[クライアント復元サービスのセットアップ]を押下します。
- [再起動]を押下すると、クライアント復元サービスをもう一度セットアップするか聞かれますので、[はい]を押下します。
- Essentials のクライアントリストア用に、WinPEイメージのカスタマイズが始まります。
- カスタマイズが完了すると、WinPE 5.1 でクライアントリストア用のOSイメージの作成が完了します。