DE V2はWHS2011には搭載されないことが決定しました。
Windows Home Server V2 (仮称、開発コード名:Vail)に新たに搭載された Drive Extender(DE) V2 に関する情報がWhat’s new in Drive Extender for “Vail”で公開されました。 ポストされた、Mark Vaymanさんは、Home and Small Business Server(HSBS) チームのリードプログラムマネージャーだそうです。彼によって投稿された内容をやや補足を加えながら意訳すると、
WHS V1の DEから引き継がれた機能
- フォルダ毎に、フォルダの複製の オン/オフが可能
- 複製されたフォルダは、どれか一つのHDDが障害に直面しても、ファイルは保護される
- サーバーの記憶域に、異なるIF(SATA、IDE、eSATA、USBなど)、異なる容量のHDDを容易に追加可能
- サーバーの記憶域の使用状態のグラフィカル表示(V1におけるパイチャート)は今回のビルドではないが、次のマイルストーンでの実装を検討中
新規または改善された機能
- 複製が有効なフォルダに保存されたファイルは、2つの異なるHDDに対してリアルタイムに保存される。WHS V1のように、1時間に1回の処理ではない
- EFS暗号化や圧縮属性のサポート
- 使用中のファイルに対しても複製が機能するようになり、ファイルの競合エラーが発生しなくなる
- サーバーの記憶域全体の残り容量が正しく表示されるようになる
- ストレージに対する全ての操作はバックグラウンドで実施されて、サーバーの他の動作に影響を及ぼさないよう実行される。サーバーの記憶域からのHDDの取り外しをしても、共有フォルダへのアクセスに影響を及ぼすことがなくなる
- サーバーの記憶域にHDDを追加する際、物理的にHDDの区別をつけられるようにHDDに対して任意の名前を設定することが可能になる
- それぞれのHDDのシリアルナンバーとインターフェイスタイプが正しく通知されるようになる
- 2TBを超えるサイズのHDDをサーバーの記憶域に追加できるようになる
- iSCSIデバイスをサーバーの記憶域に追加できるようになる
- システムドライブをサーバーの記憶域から除外することが可能になる(共有フォルダへのファイル書き込みアクセスがOSのパフォーマンスに影響を及ぼしにくくなる)
- 新しくローレベルのHDDチェックや修復操作機能が追加された
- HDDへのI/O負荷がメディアストリーミングに影響を及ぼさないよう、全てのストレージ操作は非常に低い I/O優先度で行われる(WHS V1では、WHS上の動画をストリーミング再生していると、共有フォルダへのファイル操作や1時間毎のDEMigrator.exeのプロセスの影響で途切れる場合などがあった)
- フォルダのボリュームに対してchkdskを実行する、”folder repair”機能が新たに追加された
- ストレージエラーから保護する目的で、512バイトのセクター単位に付加情報を添付する。具体的には、それぞれのセクターはCRCチェックサムで保護され、DEがデータ読込エラーの発見やリアルタイムエラー訂正、自己修復、ユーザーやアプリケーションへのエラー通知を可能となる。このオーバーヘッドがおおよそドライブスペースの12%になる(言い換えると、チェックサムがつくことでオーバーヘッドが増え、実際のHDD容量の88%しか実データの保存には利用出来ないことになる)
- サーバーの記憶域のHDDはサーバー間で移行が可能で、移行先のサーバー上では非デフォルトプールとして表示される。移行先のサーバーにデフォルトプールが存在しない場合、移行した非デフォルトプールをデフォルトプールに昇格させることが出来る。
推奨されない機能
- サーバーの記憶域のHDDは、Vail以外のOSが稼働しているマシン上では読み取ることが出来ない
- 定期的なリバランスは将来のバージョンで検討される。
相互運用、サポートに関する既知の問題
- ソフトウェアRAID同様、DEはBitLocker暗号化をサポートしない
- DEは同じHDDを(ダイナミックディスクのような)他のソフトウェアベースのRAIDシステムと共用することは不可能
- サーバーのフォルダに対するローレベルでのストレージツール(たとえば、デフラグ、ドライブ全体の暗号化、ボリュームのイメージバックアップなど)の操作は問題を引き起こす可能性がある。これらのツールは今回のリリースでは完全にテストされているわけではないので、利用は避けてください。
- 内部では、最大16台、16TBのHDDまではテストされたが、これを超えるHDDの接続は多数のバグがあることを認識している。今回のリリースではHDD 16台以下、16TB以下のシステムで利用していただきたい。
といった感じでしょうか。だいぶ意訳しているので、正確な英訳ではありませんが、おおよそこういう内容かと思います。
また、米国のフォーラムではそのほかにもVailにおけるVSSのサポートに関する情報など新たな情報が公開されてきています。
Vailにおける、VSS(Volume Shadow Copy Service、「以前のバージョン」)のサポート
Vailでは、WHS V1 のPP1以降無効となった VSS(Volume Shadow Copy Service)、つまり「以前のバージョン」機能がデフォルトで有効となるよう開発が進められているようです。今回公開されたベータではデフォルトは無効ですが、サーバーの共有フォルダに対してエクスプローラー上から手動で「以前のバージョン(previous versions)」を有効化することが出来ます。デフォルトでは1日に2回スナップショットを作成するようになっているようです。
# 追記: 2010/8月に公開されたリフレッシュベータでは、VSSが有効になっています。Vail/AuroraとVSSを参照してください。
以上だいぶ長くなりましたが、米国のフォーラムで公開されている情報を、この場で日本のユーザーさんにも共有します。