Windows Home Server ユーザーが重宝したクライアントバックアップ機能
Windows Home Server (WHS)のクライアントコンピューターバックアップ機能では、システムクラッシュ時やハードディスク故障時に救われた経験をした方や、HDDからSSDへのディスク換装などで重宝した方も多いのではないでしょうか。
WHS V1で搭載されたクライアントコンピューターのバックアップとベアメタルリストアやファイルの復元機能は、その後Windows Home Server 2011、Small Business Server 2011 Essentialsや、Winodws Server 2012 Essentials にも引き継がれ、そしてWindows Server 2012 R2 では、Windows Server Essentials エクスペリエンスとして標準搭載されるまでに至りました。
バックアップの必要性は気がついてからでは遅い
「ハードディスクは消耗品」と言われると違和感を覚える方が多いと思いますが、実際にハードディスクは駆動時間の経過とともにデータ腐敗やセクタ以上などデータ消失のリスクが高まります。SMART情報で不良セクタが増えてくるなどの傾向が出てきた場合には速やかにディスク交換することが、データを失わないためには重要となってきます。最近のパソコン特にノートパソコンはSSDが中心になっていると思いますが、SSDは前触れなく起動しなくなるなどHDDよりも障害に気がつかずに突然死を迎えるリスクが高くなります。
だからこそ、前述のようにサーバーOSの標準機能としてEssentialsエクスペリエンスは組み込まれていったともいえますが、もし今重要なデータを何のバックアップもとらずにコンピューターを利用している人はすぐに対策の検討をおすすめします。
安価にWHSのバックアップ機能を代替できる「EaseUS Todo Backup」
WHS V1やWHS2011ユーザーの方はバックアップの重要性を重々認識しながらも、Windows Server 2012 R2 EssentialsはOS代が高くて移行に二の足を踏んでいる方も多いのではないかと思います。クライアントバックアップをとにかくなんとかしたいという場合、3rdパーティ製のソフトウェア「EaseUS Todo Backup」もその選択肢として有力になりそうです。
システムバックアップとベアメタルリストアも可能なバックアップソフト
「EaseUS Todo Backup」は、システム全体のバックアップはもちろんのこと、ディスク/パーティション丸ごとやフォルダー/ファイルを指定したバックアップが可能です。リストアも、ベアメタルリストアやディスク/パーティション単位、フォルダー/ファイルを指定しての復元を選択することができます。
バックアップ対象のクライアントにソフトウェアをインストール
バックアップを行いたいクライアントPCには、ToDo Backupソフトをインストールする必要があります。
復元の際は、ベアメタルリストアの場合はWinPEまたはLinuxベースで起動ディスク(CD)を作成する機能があり、起動ディスクからバックアップが保存されているディスクやネットワーク上のサーバーを指定して復元することができます。
バックアップイメージはローカルディスクやネットワーク上のサーバーに保存可能
バックアップ先は、内蔵/外付HDDやNAS、ネットワーク上の共有フォルダーなどを指定することができます。ネットワーク上のサーバーが表示されない場合、パス入力欄に「\\IPアドレス」を入力して[移動]を押下することで、IPアドレスから指定することも可能となっています。
Windodws 8以降、クライアントPCでも記憶域スペース(記憶域プール)が利用できますので、クライアントOSをファイルサーバーとして利用し、バックアップイメージをネットワーク上に保存することもできます。
用途別に複数のSKU
「EaseUS Todo Backup」には、個人・SOHO向けとビジネス向けに、いくつかのSKUが用意されています。
個人向けには無料のバージョンも
Freeでは、スケジュールバックアップができませんがクライアントPCのバックアップは利用できますので、手動バックアップ前提であれば無料版でも十分でしょう。
一方、スケジュールバックアップや電子メールのバックアップ、P2V(物理環境から仮想環境への移行)も行いたい場合は、より上位の有償SKUが必要となります。ライセンス費用は各PC毎に必要となるようです。
ビジネス向けではサーバー製品のサポートやPXEブート対応も
WorkstationはクライアントPCのバックアップ、ToDo Backup Server、Advanced Serverでは加えてサーバーOS環境のバックアップが可能です。Server以上ではPXEブートの設定を簡単に行うことができ、クライアントコンピューターの障害時にはネットワーク経由で起動イメージからコンピューターを起動し、バックアップイメージを指定してベアメタルリストが可能になっています。Windows Server 2012 R2 以降、Windows Server EssentialsエクスペリエンスでもPXEブートが有効となりましたが、以前のWHSのようにリカバリイメージをUSBやCDで用意する必要がないため便利です。
Technicianライセンスでは、ネットワーク上の複数のクライアントPC/サーバーのバックアップを1つのライセンスだけでできるようになります。
日本人ユーザーにとって、課題はサポート情報か
製造元の EaseUSのサイトではナレッジベースが提供されており、日本語で比較的情報が公開されています。残念ながら英語を日本語に翻訳しているためやや記述が不自然だったり、機能の説明がやや不足している点があるように思います。このあたりの情報が充実してくると、利用ユーザーも増えていくのではないかと思います。
まずは試してみる価値十分あり
Windows Home Serverからのサーバー移行を検討している方、すでにWHSは他の製品にリプレイスしたもののやはりクライアントバックアップに不便、不安を感じている方はまず無料版で試してみることをおすすめします。個人ユーザー向けだけでなく、サーバーOSをサポートする法人向けの ToDo Backup Server も30日間試用することができます。私もいま評価を始めたところですので、今後具体的な操作方法などをいくつか紹介していきたいと思います。
コメント