先日、高機能ワークステーション向けのSKUとして、Windows 10 Pro for Workstation が今年秋より提供されることが公表されました。
既に存在しているWindows 10 Proというエディションを、更にサーバーグレードのワークステーション向けに強化したエディションということで、本来サーバーOSでのみ提供されクライアントOSではサポートされていなかった機能がサポートされる…だけならよかったのですが、どうやら従来のSKUとの間との機能差分が生まれるよう、従来Windows 10でできていたことも2017 Fall Updateからは利用できないようになることがあるようです。
ReFSに関しては、Creators Updateでの進化が、逆にFall Updateでは大幅後退
2017年3月に提供された、Windows 10 Creators Update(1703)では、Windows 10でのReFSのサポートが強化され、従来ミラーボリュームに限定されていたReFSでのフォーマットが、それ以外のボリュームにも開放されました
参考:Windows 10 Creators Update と ReFS
それが、わずか約半年後に提供される2017年秋のFall Updateでは、従来可能であったミラーボリュームでのReFSフォーマットまでが今後不可能になるとされています。
あくまで for Workstation以外のWindows 10でのフォーマットが不可能になるだけで、これまで作成したReFSのボリュームをWindows 10で読み取ることは、今後も可能です。
今回のFall Updateでの変更は、従来のバージョンアップによる機能拡大方針に逆行するだけでなく、この機能を利用していたユーザーにとって、大幅なデグレとなります。
Microsoftからみると、まだクライアントOSでReFSを使っている人はさほど多くはないという判断かと思いますが、新しく提供されたばかりでまだまだ未成熟なファイルシステムであるにも関わらずReFSを使っていた先進層/ギーク層などに対しては、かなりネガティブなインパクトになると思われます。
Fall Updateで明らかになった、将来のWindows 10 機能後退の可能性
今回の変更により、今後もMicrosoftの方針1つで、それまで提供されてきたWindows 10の機能、それもファイルシステムといったかなり根本的な機能が、バージョンアップデートによりある日から提供されなくなることがありうるというリスクが明らかになりました。
こういったことは、Microsoftにおいては今に始まったことではないともいえますが、今後Windows 10の新たな機能の導入を考えるアンテナの高いそうは、逡巡を迫られることは間違いなさそうです。