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ASUSのデュアルWANポート搭載WLANルーター「RT-AC68U」で、フレッツ光ネクストの IPv6 IPoE(ネイティブ)方式を使いつつサーバー公開する方法(1)

フレッツ光ネクストの IPv6 IPoE(ネイティブ)方式を使いつつサーバー公開するなら、ASUSのデュアルWANポート搭載WLANルーター「RT-AC68U」がお勧めの記事で、フレッツ光ネクストのIPv6 IPoEでサーバー公開する場合には ASUSのRT-AC68Uを推奨しました。IPv6 over IPoE方式だと、PPPoEセッションの200Mbps上限の制約が外れ、本来の光ファイバー回線が持っている上限1Gbps接続の速度を享受できることから、IPv6 IPoEを利用しつつ、これまで通りWHSやWSEなどのサーバーを外部に公開することを考えます。

なぜサーバー公開するのにデュアルWANがいいのか

PPPoEが必要な理由

IPv6 IPoE方式(IPv6プラス)を利用すると、従来のIPv4やIPv6 PPPoE方式で用いられるPPPoE接続の場合と異なり、網側から割り当てられるIPアドレスがキャリアグレードNATを用いた、共有グローバルIPアドレスとなります。このため、IPv6 IPoE方式(IPv6プラス)では、サーバーを公開できません。

これを解決する方法の1つに、同じ回線上でPPPoEセッションを張って、サーバーの公開だけはPPPoEセッション上のグローバルIPを用いる手があります。しかし、NTTからレンタルするHGWはIPv6プラスを申込むとPPPoEを張ることが出来なくなることから、HGW以外の機器からPPPoEセッションを張る必要がでてきます。そのため、HGW配下にPPPoE機能を持ったルーターがもう一台必要となります。通常はHGWとは別に無線LANルーターを配置している方が多いでしょうから、この無線LANルーターにPPPoEセッションとIPv6 IPoE接続の振り分けをしてもらうことを考えます。

WANが1ポートだと、PPPoEとIP接続は同時接続不可

無線LANルーターでPPPoEセッションを張る場合、無線LANルーターのWANポートからHGWのLANポートに接続し、無線LANルーター上でPPPoE設定を行います。これで、PPPoE接続は可能になります。しかし、このままでは無線LANルーターにぶら下がるサーバー以外のクライアントも全てPPPoE接続になり1Gbpsの恩恵は受けられません。

図1:一般的な無線ルーターからPPPoEを張った場合

かといって他のクライアント等をHGWに直接接続すると、セグメントが別れてしまい、ファイルサーバーへのアクセスやサーバーとのローカル通信が出来なくなり、WHSやWSEのクライアントバックアップができなくなります。サーバーをただWebサーバーとして公開するだけであれば、この構成でまったく問題ないのですが。

図2:サーバーを無線LANルーター配下、クライアントはHGW直下とした場合

また、無線LANルーターのLANポートとHGWを接続してしまうと、無線LANルーターのWAN側とLAN側が同じセグメントというありえない構成になりますし、ルーターによってはハングアウトしてしまいます。

図3:HGWと無線ルーターのLANポートとWANポートは同時に接続できない

サーバーとクライアントの間のローカル通信を担保しながら、IPv6 IPoEとPPPoEを同時に利用して、高速化のメリットとサーバー公開を実現するのはそう容易でないことがわかります。

デュアルWANの ASUS RT-AC68U の場合

これに対して、デュアルWANの ASUS RT-AC68U の場合は、WANポートを2つ利用できることから、一方のWANはHGWをデフォルトゲートウェイとしてIPv6接続からインターネットに出て、もう一方のWANはPPPoEセッションを構成して、サーバーからあるいはサーバーへのトラフィックをPPPoE側で実現することができます。

図4:RT-AC68Uの場合

また、同時に無線ルーターのLAN側セグメントにサーバーとクライアントを配置することで、サーバーとクライアントの間のローカル接続もでき、ファイルサーバーへのアクセスやクライアントPCのバックアップも問題なくできます。

IPv6ネイティブ時代、RT-AC68Uはおうちサーバーセグメントには必須のルーターか

このような理由で、我が家では当初購入したNECの Aterm WG1800HP はお蔵入りとなり、ASUSのRT-AC68Uを買いなおす羽目となったのでした。今月は、amazonで春の生活応援セール5%割引の対象となっていますので、同様のお悩みを抱えていた方はこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。

次回は、具体的な設定方法を書こうと思います。

ださっち: