WHS V1のインストール時には[サーバーの再インストール]を選択しないと、接続されているすべてのHDDがフォーマットされていました。
WHS2011のOSインストール時にはWHS V1のような[サーバーの再インストール]オプションはありませんし、OSのインストール時にはプライマリHDD(マザーボードの一番若いポートに接続されているHDD)しかフォーマットされないという違いがあります(WHS2011のインストール参照)。WHS2011インストール直後は、プライマリHDDのうちシステムドライブ(C:)の残りのパーティション(D:)にサーバーの共有フォルダが作成されていますが、WHS2011の運用を開始すると以下のキャプチャのようにD以外のパーティションに共有フォルダを移行していく運用が想定されます。
このような場合にWHS2011のインストールを実施すると、セカンダリHDDはフォーマットされませんので共有フォルダ内のファイルは消えずに維持されています(逆にプライマリHDD内のデータはすべて削除されますので、プライマリHDD内にデータが残っていないことを確認してください)。
再インストール直後のダッシュボードは以下のようになります。
共有フォルダがF:内に出来ていますので、一見再インストール前の共有フォルダが自動的に認識されているかと思いますが決してそうではなく、以下のようにプライマリHDDの2番目のパーティションにドライブレターFの割り当てが変わってしまっています。
再インストール時にはプライマリHDDはフォーマットされますので、このプライマリHDD上のFパーティションには新しいサーバーの共有フォルダが作成されているだけで、フォルダの中のデータは存在しません。ここで元々FのドライブレターがふられていたHDD(現在はEのドライブレターがふられている)にサーバーの共有フォルダを移動させようとすると、既に同じ名前のフォルダーが存在するためエラーとなります。共有フォルダのデータはこのHDDに保存したいにのこれでは困ります。
そのため、いったん元々共有フォルダを移していたHDDをWindowsエクスプローラーで開き、ServerFolders配下に保存されている共有フォルダの名称を たとえば[ドキュメント2]のように変更します。
変更が完了したら、再度サーバーダッシュボードからデフォルトの共有フォルダについてすべてフォルダの移動ウィザードを実行します。
移動が完了すると、E:\ServerFoldersは以下のようになります。
あとは、元々データが保存してあった末尾に2をつけてリネームしたフォルダから、鍵マークのついたダッシュボードで移動操作を行ってきたフォルダに対してデータを移動したのち、リネームしたフォルダを削除すれば完了です。完了すると以下のようになります。
やや面倒ではありますが、WHS2011の再インストールおよび、RC版からRTM版への移行時にはこのように対処することでデータは保存したまま再インストールが可能になります。
なお、上記はあくまでWHS2011がデフォルトで作成する共有フォルダに関してであり、ユーザーが後から追加した共有フォルダーについてはダッシュボードから場所を指定するだけで追加可能です。
参考:SeanDaniel.com – Home, Small Business Server and Related Technology: How to Re-Install RTM on an RC version of Windows Home Server 2011
なお、プライマリHDDもフォーマットしないでOSの再インストールを実施したい場合は、cfg.iniで、 ConfigDisk=0 を指定するとプライマリHDDもフォーマットされません。
参考:Vail/Auroraのインストール用自動応答ファイル – 薩摩藩中仙道蕨宿別邸