Windows Home Server の無くなった2014年、自宅サーバー(Windows)における選択肢は?で、Windows環境で自宅サーバーを更新するならという選択肢でいくつか考察してみました。
今度は、NASでWindows Home Serverをリプレイスするならという観点で、いくつか候補を考えてみたいと思います。ざっと走り書きしたので、後日内容をアップデートしますが一旦仮公開します。
NAS以外にはZFSなどのメリットからLinuxディストリビューションを利用するという選択肢もありますが、そういうスキル層は既に移行済みあるいはそもそもWHSには手を出していないだろうということで割愛します。
Windows以外のNASを選択することによるメリットとデメリット
1.メリット
Windows Home Server で得られた最大のメリットは「クライアントPCのバックアップ」「リモートWebアクセス(DDNS含む)」「ファイルの冗長化(V1のみ)」でした。このうち、「クライアントPCのバックアップ」機能は最近販売されているNAS製品にも標準(あるいは別途有償)で機能が搭載されてくるようになりました。さらには、リモートWebアクセスではWHSでは対応していなかったiOSやAndroid向けのアプリを無償で利用できる製品が増えています。「ファイルの冗長化」機能では、RAID(多くは5または6)を全ての製品で利用可能です。
2.デメリット
Windows Home Server は、Windows Serverをベースとしていたことから、サーバーOSの備える機能を自身で設定したり、アプリケーションをインストールすることでより高度な使い方やサーバーOSの学習が出来たのが最大のメリットでした。この点はWindows 以外のNASを選択すると、享受できなくなります。録画サーバーとして利用する層が多かったのもWHSの特徴かと思いますが、これも叶わなくなります。
もう1点は、価格です。AcerのH340やHPのMicroServerのように安価なPCサーバーをホームサーバーとして仕立てたり、自作でサーバーを立てられなくなることがデメリットかと考えています。
代替製品の選択肢は?
いくつかの製品がでていますが、機能、情報量、ディスクベイ数の面で、一番お勧めはQNAPです。ディスクベイの数に割り切れるのであれば、次はWD Live Book Duoかと思います。
日本製のアイ・オーやバッファロー製については後日追記します。
高機能なQNAPは標準で機能も充実
QNAPのTurboNASは非常に高機能な製品で、WHSで出来ていたことはほぼ実現可能です。4ベイ搭載可能製品でディスクレスで5万円強となっています。ディスク容量も必要で、機能も追究したい人には一番お勧めです。
項目 |
有無 |
クライアントPCバックアップ |
○ |
MacのTimeMachine対応 |
○ |
リモートからのアクセス |
○ |
DDNSサービス |
○ |
iOSアプリ |
○ |
Androidアプリ |
○ |
管理ツール |
○ |
ファイルの冗長性 |
○ (RAID) |
DLNA |
○ |
iTunesサーバー |
○ |
FTP |
○ |
ストレージの柔軟性が高いDrobo
DroboはWHS V1 のようにディスク容量にかかわらずHDDを追加していくだけで、RAIDの構成を自動的に行ってくれるのが特徴です。また、Drobo Apps と呼ばれる拡張アプリケーションを導入することで、リモートからのアクセスやiTunesサーバーなどの機能を追加することができますが、ストレージの柔軟性に比べてアプリの追加は敷居が高めで玄人向けの製品です。4ベイ製品で約6万円強から入手できます。
項目 |
有無 |
クライアントPCバックアップ |
△ Drobo PC Backup (製品によっては有償)要 |
MacのTimeMachine対応 |
○ |
リモートからのアクセス |
△ |
DDNSサービス |
× |
iOSアプリ |
○ |
Androidアプリ |
○ |
管理ツール |
○ |
ファイルの冗長性 |
○ (RAID5/6相当) |
DLNA |
△ |
iTunesサーバー |
△ |
FTP |
△ |
Western Ditalは高性能だがHDDベイは少ない
Wedtern Digital の WD My Book Live Duo は QNAP同様、標準で多彩な機能が搭載されています。My Book Live Duoはストレージを2台搭載し、2台の物理ディスクの間でファイルをコピーし冗長性を確保することができます。6万円弱程度で購入可能です。個人的にはディスクを大量に必要としないのであれば、機能的には一番オススメできる製品です。
項目 |
有無 |
クライアントPCバックアップ |
○ |
MacのTimeMachine対応 |
○ |
リモートからのアクセス |
○ |
DDNSサービス |
○ |
iOSアプリ |
○ |
Androidアプリ |
○ |
管理ツール |
○ |
ファイルの冗長性 |
○ (RAID:Duoのみ) |
DLNA |
○ |
iTunesサーバー |
○ |
FTP |
○ |
安価だが比較的高機能なReadyNAS
ReadyNASはSMB用途で使われているイメージなのですが、比較的安いためホームユースでも選択肢に入るかも知れません。ただ、あらゆる点で日本語化が進んでおらず、個人的には一番情報を得られていない製品です。値段は安く、RAIDの構築もできますが、WHSの代替としてクライアントバックアップなどを期待して導入するにはお勧めできないかと思います。
項目 |
有無 |
クライアントPCバックアップ |
× |
MacのTimeMachine対応 |
△ |
リモートからのアクセス |
○ |
DDNSサービス |
× |
iOSアプリ |
○ |
Androidアプリ |
○ |
管理ツール |
○ |
ファイルの冗長性 |
○ (RAID:Duoのみ) |
DLNA |
× |
iTunesサーバー |
× |
FTP |
? |
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