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小容量SSDは、記憶域プールのJournalディスク(パリティ利用時)にしてしまおう

sWindows 10の販売開始のニュースで、OSバンドル用の8GB SSDが安価に販売され話題となりました。

税抜き980円の2.5インチSATA-SSDが登場、DSP版Windows 10のセット購入用 (取材中に見つけた○○なもの) – AKIBA PC Hotline!

このHANA Micron製のSSD HLSM008G-10は、AKIBA PC Hotline!の記事によるとSATA2接続でリード最大60MB/s、ライト最大20MB/s、とのことであまり魅力を感じませんが、SATA3接続で安価かつ小容量のSSDが余っている場合、記憶域プール/記憶域スペースのJournalディスクとして使うと手ごろにストレージのパフォーマンス向上が望めます。

Journalディスクとは?

記憶域プールでは、ディスクの使用(Usage)属性には以下の種類と用途があります。

Autoselect 仮想ディスクを作成する際に、システムが自動的に利用します。
Hotspare 他の物理ディスクに障害が発生した場合に、代替ディスクとして用いられます。仮想ディスク作成の際に用いられることはありません。
Journal 仮想ディスク作成の際に、ジャーナル領域を保存する専用ディスクとして用いられます。ジャーナルにはライトバックキャッシュと、パリティディスクの際だけに用いられるジャーナル(256MB)の2種類があります。
ManualSelect Powershellのコマンドレットを用いて仮想ディスクを作成する際に、PhysicalDiskToUseで手動指定して利用することができますが、システムが自動的に利用することはありません。
Retired 仮想ディスクのデータの保存に今後用いない場合に指定します。物理ディスクの障害が発生した場合に、システムが自動的にRetiredに指定する場合もあります。

記憶域スペースに関する理解を深める(パラメーター設定と振る舞い):(1)も参考にしてください。

Journalディスクは小さいディスクでよい

上述のように、Journalとして指定されたディスクは、ジャーナル領域を保存する専用ディスクとして指定されます。ライトバックキャッシュは1GBから最大でも16GBまでのサイズとすることが推奨されています。パリティのジャーナルは256MBですので、Journalとして利用するディスクはディスクサイズをさほど必要としません。

高速かつ小容量のストレージをJournalディスクとして利用すると、記憶域スペース、記憶域プール全体のパフォーマンスを飛躍的に向上させることができます。

ちなみに、記憶域スペースに追加できる物理ディスクの最小サイズは4GBです。

記憶域階層を利用しない場合、ただSSDをプールに入れてもパフォーマンスは向上しない

記憶域階層を利用する場合は、SSD階層とHDD階層を使い分けするため良いのですが、記憶域階層を利用しない場合に記憶域プール内にただSSDディスクを追加しても、実はパフォーマンスの向上にはつながりません。

理由は、記憶域スペース/記憶域プールでは、列数に分割してデータをストライピングしていきますが、その際にプール内にHDDとSSDが混在していても、ストライピンググループのデータ書き込みが完了するのは、最も遅いディスクへの書き込みが完了した時点となります。そのため、プールの性能は最も遅いディスクの性能に引っ張られることとなります。(列については、記憶域スペースに関する理解を深める(列数とディスク使用の関係)を参照してください)

記憶域階層を利用しない場合で、パリティディスクを使用する場合はSSDをJournalに

記憶域スペース/記憶域プールを構築する際に、記憶域階層を構成しないHDD/SSDがミックスされたプールでパフォーマンスの向上を狙う場合は、仮想ディスク作成時にライトバックキャッシュを利用するよう指定するか、あるいはSSDをJournalディスクに指定した上で、パリティで仮想ディスクを作成することで、パフォーマンスの大幅な向上が期待できます。

Usage属性は記憶域プールに属する物理ディスクのパラメーターですので、クライアントOSで物理ディスクのUsage属性を指定するには対象の物理ディスクが記憶域プールに追加されている(あるいは追加時に指定する)必要があります。

安価でJournalディスクにお勧めのSSD

手元に余っているSSDがなく、新たに購入を検討する場合、たとえば以下のような製品がいいのではないかと思います。

ださっち: