Windows Server 2019での記憶域スペースダイレクトの改善ポイント5つを公表。

Windows Server 2019

先日オンラインイベントとして開催された、Windows Server Summitで、Windows Server 2019における記憶域スペースダイレクトの5つの大きな改善ポイントが公表されました。

Webinarでは、PMのCosmos Darwinさんが解説してくれています。また、公式ブログでもHere’s what you missed – Five big announcements for Storage Spaces Direct from the Windows Server Summitで取り上げられていますが、かなり大きなインパクトがありそうですのでそれぞれ紹介したいと思います。

1. 最大4PBの記憶域プールをサポート

Windows Server 2016の記憶域スペースダイレクトでは最大1PBまでの記憶域プールをサポートしていましたが、Windows Server 2019では4PBと4倍になりました。

The new maximum size per storage pool is 4 petabytes (PB), or 4,000 terabytes.昨日のInteract 2018でも、高野さんや小川さんのセッションで求められるストレージのサイズがどんどん大きくなっているとの話がありましたが、記憶域スペースダイレクトもそれに応えて進化をしています。

ボリュームの数は最大32から64に、ボリュームの最大サイズも32TBから64TBに拡張されています。

All related capacity guidelines and/or limits are increasing as well.

2. USB監視の実現で、2ノードクラスターの構成がシンプルに

記憶域スペースダイレクトでは、最小2台のクラスターから構成が可能ですが、2台のクラスター構成ではクォーラムの多数決の判定メカニズムに工夫が必要となります。Windows Server 2016では「共有フォルダーでの監視(File Share Witness)」と「クラウドでの監視(Cloud Witness)」を利用することで、ノードに障がいが発生した場合にどちらが正常なのかの判定に利用していました。

Windows Server 2019では、ネットワーク機器に接続されたUSBメモリー上に監視用のノードを置くことで、ほかの共有フォルダーやクラウドへの接続を用いなくても2ノードクラスターが構成できるようになります。

記憶域スペースダイレクトは、中小の企業やブランチオフィスなど、まだまだオンプレミスへのニーズが高い環境でも高可用性を持つストレージを実現する手段として活用ができると思いますが、この構成ができることでますます手軽に利用することができそうです。

3. 障がいの発生した物理ディスクの検出がより容易に

記憶域スペースや記憶域スペースダイレクトでは、物理ディスクの障害検知の機能が弱く、実際に記憶域スペースに障害が発生しても、どの物理ディスクが原因なのかわかりにくい場合がありました。

Windows Server 2019では、物理ディスクへのIOパフォーマンスを記録し、各物理ディスクのスループットの低下やIO失敗を統計から把握することができるようになります。統計データはWindows Admin CenterやPowerShellから確認できるようになります。

Windows now records the outcome (success or failure) and latency (elapsed time) of every read and write.

また、Azureで導入されている仕組みにインスパイヤされた、遅延の著しい物理ディスクを特定してアラートする仕組みも導入されます。

Drives with abnormal behavior are automatically detected and marked in PowerShell and Windows Admin Center as “Abnormal Latency” status.

4. ミラーアクセラレーテッドパリティ(mirror-accelerated parity)のパフォーマンス向上

Windows Server 2016では、記憶域階層で高速階層と標準階層で異なる回復性が利用できるようになり、高速階層にミラースペース、標準階層にパリティスペースを利用することで、パリティ単体より高いパフォーマンスとミラー単体よりも高いディスク使用効率を兼ねそろえた記憶域スペースを作成することができるようになりました。これを、ミラーアクセラレーテッドパリティ(mirror-accelerated parity)と呼んでいます。

Windows Server 2019では、このミラーアクセラレーテッドパリティ(mirror-accelerated parity)のパフォーマンスがWindows Server 2016と比較して2倍と高速になります。

In Windows Server 2019, the performance of mirror-accelerated parity has more than doubled!

5. 対応ハードウェアの拡大(日本からもNECがパートナーに追加に!)

記憶域スペースダイレクトでは、各ノードをWindowsロゴ認定を取得した同一のハードウェアで構成する必要があります

To deploy in production, Microsoft recommends these Windows Server Software-Defined partners. Welcome Inspur and NEC!

今回、NECとinspurがパートナーとして加わり、また対応ハードウェアのSKUの数も17から33、対応コンポーネントの数も1,000から1,700と大幅に拡大になっています。

Since Ignite 2017, the number of Windows Server Software-Defined (WSSD) certified hardware SKUs and the number of components with the Software Defined Data Center (SDDC) Additional Qualifications in the Windows Server catalog has nearly doubled.

Windows Server OSとサーバーで標準的に用いられるハードウェアを用いて、高可用性を備えた比較的安価なストレージを作ることのできるソリューション”記憶域スペースダイレクト”は、まだまだ広がりが期待できそうです。

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