Windows Server 2016 TP4と記憶域スペース/記憶域プールの強化ポイント

Windows Server 2016 TP4では、Windows Server TP4で搭載が予定されているReFS v2について(今後更新予定)で紹介した記憶域スペース/記憶域プール、Storage Space DirectあるいはReFSに関する新しい機能や機能強化が含まれています。

公式ブログのStorage Spaces Direct in Technical Preview 4 – clausjor – Site Home – TechNet Blogsで、そのいくつかに関する情報がでてきました。

Multi-Resilient Virtual Disk と ReFS Real-Time Tieringが解決する問題点

「Multi-Resilient Virtual Disk」と「ReFS Real-Time Tiering」の2つの組み合わせを通じ、以下の問題が解決されるとされてます。

1.パリティのパフォーマンス

回復性タイプ「パリティ」を利用した仮想ディスクは、ディスクの使用効率は最も高い一方で、パリティ演算によるパフォーマンス低下が著しく、アーカイブやバックアップ用途でしか推奨されませんでした。

2.ファイル保存と階層化の非同期性

Windows Server 2012 R2からは、記憶域階層と呼ばれる機能を用いて、SSDとHDDを組み合わせ、それぞれの良いとこ取りをした高パフォーマンス(低容量)と大容量(低パフォーマンス)を併せ持つ仮想ディスク構築することができました。

しかし、これまでの記憶域階層では、ファイルをストレージに実際に保存したあと、システムがデータへのアクセス状況を把握してブロック毎に”ホット(頻繁に利用される)”データと、”コールド(あまり利用されない)”データを峻別し、これらの履歴データを基にスケジュールされたタスク(バッチジョブ)の中でブロックを高速階層と低速階層に配置を分けるといった仕組みでした。

Mutli-Resilient Virtual Disk

「Multi-Resilient Virtual Disk」はその名の通り”複数の回復性”を備えた仮想ディスクになります。

下の図は、Storage Spaces Direct in Technical Preview 4 – clausjor – Site Home – TechNet Blogsに掲載されている図ですが、1つの仮想ディスクの中に「ミラー」と「パリティ」2つの回復性タイプが存在していることがわかります。

151121002

従来、記憶域階層を構築する際には、高速階層(SSD)と低速階層(HDD)を作成し、それぞれの階層から利用するサイズを指定して仮想ディスクを構築していました。

「Multi-Resilient Virtual Disk」では、階層作成時に回復性タイプを指定して階層を作成し、作成した2つの階層の中から利用するサイズを指定して仮想ディスクを作成する、といった手順になります。2012 R2までは記憶域階層作成時に、SSDとHDDの2つのメディアタイプを持った階層を組み合わせる必要がありましたが、Windows Server 2016 TP4 ではこの制約が外れていますので、HDDだけやSSDだけの組み合わせで、「Multi-Resilient Virtual Disk」を作成することもできます。

もちろん、SSDとHDDを組み合わせて階層を構成することも可能です。メディアタイプの縛りが外れ、回復性タイプが指定出来るようになったことでその際の柔軟性は高くなっています。PowerShellを使って階層を構成すると、例えば上の図で示すミラー階層にSSD、パリティ階層にHDDを利用することも可能です。

ReFS Real-Time Tiering

「Multi-Resilient Virtual Disk」を作成したのち、ReFSファイルシステムがこの仮想ディスクにデータを配置するかの振る舞いが「ReFS Real-Time Tiering」で変わります。

ReFSは、データを常にミラー階層に書き込みます。パリティ階層に保存されているデータの更新も、常にまずミラー階層に対して行われます。これにより、ワークロードのIOスループットはミラー階層の高いパフォーマンスと回復性を備えた状態で実現されます。

151121003

ReFSは必要に応じて、パリティ階層にデータを配置しなおします。その際にはWindows Server 2012 R2 のデュアルパリティで採用されているイレージャーコーディングが用いられます。データをパリティ階層に再配置することで、ディスク使用効率を高めることが可能になります。

Multi-Resilient Virtual Disk と ReFS Real-Time Tieringにより実現されること

「Multi-Resilient Virtual Disk」と「ReFS Real-Time Tiering」の組み合わせを通じて、パリティとミラーのディスク使用効率とパフォーマンスを掛け合わせた仮想ディスクを作成することができます。

記憶域スペース/記憶域プールに魅力は感じながら、パリティディスクのパフォーマンスについて、頭を悩ませていた方も多かったのではないかと思いますが、Windows Server 2016ではこういったアプローチで解決が図られることになりそうです。

実際の構築手順はまた改めて記事にしたいと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする