かつての人気機能、メディアサーバー
Windows Server Essentialsでは、Windows Home Server(WHS)からの流れを受け継ぎ、DLNA互換のメディアサーバー機能が搭載されてきました。
LAN内のDLNAデバイスに対して、指定したフォルダーに保存された[写真][音楽][ビデオ]の配信ができるほか、リモートWebアクセス(RWA)サイト上からもメディアを閲覧することが可能でした。
サーバー上で安全に保存されているデジタルアセットを、ローカルネットワーク内/外部ネットワークから参照できるこの機能は、WHSユーザーのホームユースを中心に支持され、人気の機能の1つでもありました。私も実際に、子供の写真をデジタルフォトフレームに表示する際に、このEssentialsサーバーのメディアサーバー機能を未だに利用しています。
今はWiFi経由で、DLNAサーバーやファイルサーバー(SMB)上のメディアを再生できるデジタルフォトフレームはほぼ入手ができないのではないかと思います。
AndroidやiOSでクラウド・フォトフレームEXなどのデジタルフォトフレームアプリを利用するのが現実的かも知れません。
WHS以降、2012 Essentialsまではデフォルトで機能として組み込まれてきたこのメディアサーバー機能ですが、Windows Server 2012 R2 Essentialsでは、メディアサーバー機能はメディアパックとして追加のダウンロード、インストールが必要となり、少し後退の予兆はありました。
2016 Essentialsではメディアパックは未提供に
Windows Server 2016 Essentials では、実はひっそりとこのメディアパックも提供されなくなり、Essentialsサーバーでこれまで提供されてきた機能のなかで(WHS時代に廃止されたDEを除いて)おそらく初めて削減された機能となりました。
メディアサーバー機能を代替する
メディアパックが提供されていない2016 Essentialsでメディアサーバーを利用するならば、他の代替アプリケーションを導入するのが現時点では現実的です。
かつては、Twonky Media Serverがこの領域では有力でしたが、最近では運営元のパケットビデオが事業を売却するなど、ちょっとこの先不透明な状況です。
iHomeServerを利用する
iHomeServerは、iTunesをサーバー上で管理するアプリケーションです。指定したフォルダーに保存されているメディアファイルを監視し、iTunesライブラリーに自動で追加してくれます。
このソフトウェアに、DLNAサーバー機能がありますので、音楽を配信したい場合はお勧めできるアドインです。
Web UIも用意されていて、外出先からもブラウザからアクセスすることができます。
Plex media serverを利用する
Plexはクライアントアプリケーションも豊富で、音楽だけでなく動画や写真にも対応したメディアサーバーです。
アカウント登録は必要ですが、Windows アプリケーションをダウンロードしてメディアを登録することで、ネットワーク内のデバイスに配信することができます。
KODIを利用する
KODI(旧XBMC)もDLNA互換サーバーとして利用できる、オープンソースの無料ソフトです。
個人的にはKODIがお勧めです。
DLNA自体は規格化が完了し一定の普及もみたということで、Allianceが解散するなど、DLNA自体が下火になっている感はありますが、ネットワークを介してクロスプラットフォームでメディア配信出来る規格として果たした役割は大きかったと思います。
Windows Server 2016 Essentialsを家庭やオフィスでメディアサーバーとして利用する場合は、これらの代替アプリケーションの利用についても検討されてみてはいかがでしょうか。