以前、[FAQ]WHSの使用するHTTP/HTTPSのポートを変更するやWHSのリモートデスクトッププロキシで、 TCP 4125以外のポートを使うでポートを変更することでネットワーク内の複数のWHSに外出先からアクセスする方法をご紹介してきました。
今回はNTT東西が提供するフレッツユーザーの方向けのTipsで、ポートを変更するのではなく、1つの回線から複数のISPに同時接続して、グローバルIPを複数取得する方法です。
NTT東西のフレッツでは、基本サービスとして1契約で2つのPPPoEセッションを同時に張ることが出来ます。もう少し言い換えると、1つの回線上でISP向けの接続を同時に2本確立することが出来ます。こんな具合です(以下の図のプロバイダA社、B社への接続1,2を同時に出来ると思ってください)。
これが何を意味しているかというと、プロバイダー契約だけを増やせば、1本の回線から同時に2つ(以上)のプロバイダーと接続出来る(=WAN側IFにグローバルIPが2つ(以上)付与される)ことから、冒頭ご紹介したようなTipsを使ってWHSのポートを変更するような煩わしいことをせずとも、外出先から2台(以上)のWHSに対してアクセス出来るということです。
ルーターの設定だけしてあげれば、WHS側は通常通り http://xxx.homeserver.com/ のDDNS名(もちろん、それぞれ別のDDNS名にする必要がありますが)を取得してあげればOKです。
具体的なルーターの手順は、以下の(1)、(2)の通りです。
(1)ISPとの契約
最近はISPを契約する場合は回線とセットの契約をしている場合が多いかと思います(ISPのプランだと、~with フレッツといったような名称になっているプラン)
。
一つのプロバイダ契約だと、同時に2セッションは張れないので、これに追加してISPのみの単独の契約を契約する必要があります。お安いところだと、BB.Exciteのフレッツ・光コース (500円)や、意外と知られていないところでは NTTドコモのmopera U をすでに契約している方には、有料オプションでU「Bフレッツ/フレッツ 光ネクスト」コース(525円)、U「フレッツ・ADSL」コース(315円)を契約すると、PPPoE接続用のアカウントが発行されます。
(2)ルーターの設定
以下の3つの設定が必要です。
1) PPPeE セッション設定
ルーターによって言葉は異なりますが、接続先の設定の画面で、以下のように
常時接続の設定をします(我が家はOCNとmopera Uを今2つ接続しています)。
この設定には(1)で発行されたPPPoEアカウントを利用します。
2) 静的IPマスカレード設定
これもルーターによって言葉が異なります。ポートフォワーディング設定とか。
追加したセッション(インターフェイス)のTCP 80/443/4125ポートへの接続を、
2台目以降のWHSのIPアドレスに転送してあげるだけです。
対象インターフェイスを選択し、
こんな具合に、設定を追加します(下の例は80/443だけですが、4125も同様に)。
3) 静的ルーティング設定
2台目のWHSからのインターネットへの接続は、新たに追加したISPとのセッションを
利用するよう、ルーティング設定を施します。
下の例では、2台目のWHSに対して固定アサインした IPアドレス(192.168.11.150)が
送信元となるパケットを、新たに設定したmopera U 向けのセッションに仕向けるようにします。
以上で、たとえばWHSが2台ある場合、それぞれのWHSから通常通りそれぞれDDNSアドレスの取得を行って、
https://xxx1.homeserver.com/ (WHS1)
https://xxx2.homeserver.com/ (WHS2)
といった2つのDDNSアドレスを取得すれば、外出先からはアドレスを指定してそれぞれのWHSにリモートアクセスすることが可能になります。
SOHOでPCが15台ある場合、WHS1台では10台までしかバックアップ出来ませんから、WHSを2台(WHS1、WHS2)設置してクライアントPCはWHS1、WHS2のいずれかにバックアップしてもらう必要があります。外出先からオフィスのPCにリモートアクセスしたい場合、このTipsを使えば自分のPCがWHS1、WHS2のどちらに収容されているかによって、接続する際のDDNSアドレスを変えてあげれば社内のPCにリモートアクセス出来るようになります。
2台と言わず、もっと増やしたい場合
この同時セッション数を2つ以上に増やしたい場合は有料(フレッツ・セッションプラス:1セッション 300円/月)で増やすことも出来ます。
個人向けのフレッツでも、5セッションまでは増やすことが出来ますのでSOHOユースでも5台まではWHSを設置して リモートアクセス出来ると言うことになります。これはもう十分な規模ですよね。
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