Windows 8 Developer Previewをお試しになっている方も多数いらっしゃるかと思いますが、開発者向けにはもう一つWindows Server 8 のPreviewもMSDNで公開されています。
WHS V1がWindows Server 2003 R2、WHS2011はWindows Server 2008 R2をベースとしていましたが、更に次のWHSが開発されるとするならば、このWindows Server 8 (仮称)またはWindows Server 8 R2ベースとなると思われます。
Windows Server 8 での新機能のうち基幹的な部分は、WHS Nextでも利用できるようになると思われます。個人的には今回のPreviewではWHS Nextに向けて3つの点に注目しています。
VHDXによりWindows Server バックアップの2TBの壁が破られる
まずは、現在のWHS2011が抱えている一つの壁、サーバーのバックアップが2TBまでに限られることです。これはWindows Server バックアップがVHDを採用しており、VHDの仕様(その理由はNTFSの1ファイルの最大サイズが2TB)によってバックアップサイズが2TBまでに制約されています。
Windows Server 8 ではNTFSのアップデートとVHDXの採用で最大16TBまでに拡張されます。
これによって、WHS Nextでは2TBを超えるサイズのサーバーバックアップを取ることが可能になるのではないかと思われます。
SMB2.2によるファイル共有のパフォーマンスアップ
SMB2.2によって10GbEへの対応、負荷分散、スループットの向上が期待されます。
DriveExtender の復活?
これが最大の注目点となりますが、WHS2011で開発されていたDE V2は、SBSやSSEにもDE V2を搭載するにあたって、企業向けアプリケーションとの互換性の問題が判明し、不採用となりました。
しかし、Windows Server 8 にその思想は受け継がれていたようで、Windows Server 本流の開発グループによってより互換性が高く、信頼性の高い形で、メインストリームであるWindows Server にインプリされることになりそうです。
機能的な特徴としては2点あげられます。
まず1点目は、Storage Spaces(またはSpaces)と呼ばれるストレージプール作成機能です。DEの最大の特徴であった複数のストレージを束ねて合計サイズを1つのストレージであるかのように扱うことが出来ます。
さらにWindows Server 8 では物理サーバー上だけではなく仮想化サーバー上においても利用できるストレージプールを作成出来るようになる見込みです。
2点目はこれもWHSのクライアントバックアップの特徴である、Detaの重複除外(Data Deduplication)です。これによってストレージ利用効率の向上が見込めます。こちらはどちらかというとWindows Storage Server の特徴であるSIS(Single Instance Storage)に近いかもしれません。
新しいNTFSではチェックディスクのパフォーマンスアップ等、ストレージの信頼性にも寄与すると思われます。
以上、個人的に注目している3点について述べてきましたが、Windows Server というマイクロソフトのメインストリーム製品にこのような機能が搭載されてくることで、ベースOSとしてWindows Server を利用するWHSの次の製品でもこれらの機能が使えることが期待出来ます。
また、メインストリーム製品であるが故にその品質評価は非常に厳しく、信頼性の高い機能を利用できる事になります。
WHS Nextについて具体的な話は聞こえてきませんが、我々はWindows Server 8 Previewをこういう視点で見ながら将来のWHSを楽しみにしています。
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