VVAULTでWHS2011にDE相当の機能を追加(概要理解編)とVVAULTでWHS2011にDE相当の機能を追加(実践編1)に続き、実際に作成したVVAULTのストレージプールで出来ることとその動きを確認します。
VVAULTの仮想ドライブとWHS2011のネイティブ機能の関係
VVAULTで作成した仮想ドライブとWHS2011の組み合わせにおいては、以下のことが可能/不可能であることをあらかじめ認識しておくと良いと思います。
VVAULTで出来ること
- WHS2011のダッシュボードを通じた、VVAULTの仮想ドライブ上への共有フォルダの作成
- 仮想ドライブ上に作成した共有フォルダをメディアライブラリに追加し、フォルダ内のコンテンツをDLNAやリモートWebアクセス(RWA)ページからメディアストリーミング
- RWAページから仮想ドライブ上の共有フォルダへのアクセス
VVAULTで出来ないこと
- [フォルダーの移動]ウィザードを用いた、WHS2011がデフォルトで作成するフォルダ(クライアントコンピューターバックアップ/ドキュメント/ピクチャ/ビデオ/ミュージック/録画一覧)の仮想ドライブ上への移動
- 仮想ドライブ上へのクライアントバックアップデータベースの保存
- 仮想ドライブ上の共有フォルダの[サーバーのバックアップ]によるバックアップ
- 仮想ドライブ上にダッシュボードから複数のフォルダを作成する場合には、VVAULTの仮想ドライブ配下に新たにフォルダを作成した上でその配下に作成するよう指定する必要がある。
通常は、ダッシュボードからEドライブにサーバーの共有フォルダを作成する場合、X:\ServerFolders (Xは任意のドライブレター)を指定して新たなフォルダを作成するが、
VVAULTの場合は上記のようなことが出来ず、必ず X:\ 配下に新たなフォルダを作成しダッシュボードからはその場所を指定して共有フォルダを作成する必要がある。たとえば、下のようにVVAULT_TEST2という共有フォルダを作成する場合、[フォルダーの参照]画面で[新しいフォルダーの作成]を押下し、VVAAULTで作成した仮想ドライブの直下に新たなフォルダを作成した上で指定する必要がある。
特に上の2つの機能は、海外製のDrivePool等ではサポートされてきているので、是非オレガさんにもがんばって頂きたいところです。おそらくこれが出来るか出来ないかが、WHS2011でDE代替ソリューションを使う場合の大きな判断ポイントになるのではないかと思います。
VVAULTで作成した仮想ドライブ上の共有フォルダに保存したファイルの保存場所
VVAULTで作成した仮想ドライブ上の共有フォルダに保存したファイルは、VVAULTに追加したストレージの[管理対象パス]として指定したロケーションの配下に、以下のように保存されている。
Xドライブ直下を指定して仮想ドライブに追加した場合、X:\VVAULT\VV000 配下に、作成した共有フォルダが保存されており、その中にフォルダの中身の実体ファイルが保存されている。
バックアップドライブを作成してライブバックアップを有効にしていた場合、同様にバックアップドライブに追加したストレージの X:\VVAULT\VV000 配下の共有フォルダにファイルの実体が保存されている。
万が一障害等で他のマシンにこのVVAULTの仮想ドライブを構築していたHDDを移行しても、新しいマシンでVVAULTをインストールし以前のマシンと同様にVVAULTの仮想ドライブに追加することで「既存データの取り込み」をさせるか、もしくはバックアップドライブから「システムリカバリ」を行うことで元のデータは再度仮想ドライブ上に復元されます(ただしOEMライセンスを用いていた場合を除きます)。また、マシン移行まで至らずともマシン障害でHDDの中身をサルベージしたい場合はこのフォルダにアクセスしてサルベージすることが可能です。これは障害発生時の復旧を考えると非常に重要な要素だと思います。
VVAULTに関する情報源
VVAULTを利用する場合、以下に目を通すと良いと思われます。
- VVAULTオンラインマニュアル
- VVAULT カスタマースクエア(フォーラム、ナレッジベース等が充実)
- VVAULT公式ブログ
- オレガの三好社長のブログ(VVAULTの話題ばかりではありませんが、VVAULTがどんな方向を目指しているのかなど非常に参考になります)
WHS2011とDE代替ソリューション
3回に渡って国産のDE代替ソリューションとして個人的に期待をしているVVAULTの簡単な説明をしてきましたが、以前からご紹介をしているDrivePool、DriveBenderも着々と開発が進んでいます。個人的にはこれらの3rdパーティー製のアプリケーションとColorado製品の組み合わせがビジネスとして回るエコシステムをうまく作ることが、市場の拡大ひいては製品の継続、品質のアップにつながるため、とても大事だと思っています。そのためにもユーザーとしては良いプロダクトには対価を支払い、ボイス(フィードバック)もあげていくという営みを当たり前のように思い実行していく風土の醸成が重要とも思っています。
Windows Server 8 も情報が公開されてきて、DEの概念に近いストレージプールの機能がWindows Server 8 には取り入れられるといった情報も出てきていますが、Windows Server というMSのメインストリーム製品でストレージプールと複製がサポートされることで品質が期待出来るなと楽しみに思う一方で、上記のエコシステムの観点で言えばようやくDE代替ソリューションがビジネスの芽となろうとしてきているこの時期に、DEを一度spoilしたMSがこういう情報を発信してくるあたりに嫌悪感というか疑問というか複雑な思いを感じていたりもする今日この頃です。
話がそれましたが、WHS2011で利用できるDE代替ソリューションはVVAULT含めてこれからどんどん発展していくと思いますので、また折を見てご紹介をしたいと思います。
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